田代氏)
2015年に国連サミットでSDGsが採択されて以降、街や建築における緑は、その質を問われるようになりました。
これまでは緑化率をクリアしさえすればよかったのが、現在は、質が高く利活用できる緑があるかどうかが価値基準のひとつとなっています。質が高い緑とは、カーボンニュートラル・生物多様性・ウェルビーイング、この3つを叶える緑のことを指します。それらの質を客観的に評価する制度が『SEGES』と『ABINC』です。『SEGES』では緑のつくり方に加え、維持管理や将来性など『そだてる緑』の観点が重要な評価基準となります。
一方『ABINC』はより生物多様性への貢献度が重視され、緑を通じたコミュニケーションを創出できるか、という点も評価対象となります。いずれの制度も、環境、生物、人間、それぞれにとって有益で心地よい緑であることが何より大切です。
宇野氏)
本物件が立地する文京区は、23区内でも緑化計画の規定が非常に厳しいことで知られます。
まずはその規定をクリアしなければならないのですが、すぐ側に小石川植物園や後楽園といった大きな緑がある今回の立地は、それらと共鳴するような緑のネットワークを描ける、とても恵まれた場所だと感じました。
地域の環境調査を行う際も小石川植物園の存在は大きく、植物園や地域に生息する植物や生物を調べることで自ずと本物件の緑地に植えるべき樹種も見えてきました。
今回のダブル取得が実現できた背景としては、本物件はストロングポイントが明確かつ豊富にあったことと同時に、リビオのモノづくりとして、この立地や環境への想いが非常に強かったことが印象的でした。
田代氏)
日鉄興和不動産の広い観点からの緑に対するビジョンが評価されたということだと思います。
同社のリビオシリーズは『SEGES』と『ABINC』のダブル取得を本物件を含めて3件連続で実現していますが、それは決して簡単なことではありません。
計画の初期段階から未来を見据えて計画をしていくというブランドの一貫性が必要だと思いますし、住まう方にとっても非常に心地よい空間になっていることの表れでもあります。
そうした企業と共に価値ある緑を形にできるのは大変光栄なことだと嬉しく思っています。